スタッフとミーティングをするため私と後輩はオシャレなカフェに入りました。
私たちはテーブルに座り、手帳を開きました。
私の視線の先にはカウンターに座るおじさまがコーヒーを飲んでいます。
真剣な話も進み、話はもうすぐクライマックス。
すると、スーツを着た50歳くらいの女性の方が手にたくさんの資料を持って隣のテーブル席に座りました。
話はクライマックス手前、後輩は目に涙を浮かべ私の話を真剣に聞いています。
他の人から見れば別れ話のもつれ話。
どうしても伝えたい大切なことがある。そんなことはかまってられません。
『さあ、クライマックスの始まりです』
後輩の涙は木のテーブルに小さな水たまりを作っています。
そのとき、50歳くらいの女性の方が、少しお尻を浮かせ、おならをしました。
カウンターのおじさまがこっちを振り返り、私の方を見ています。
いや、犯人は私ではありません。
いやいや、そんなことより、クライマックスです。
私は聞こえないフリをして、うつむいたままの後輩に話を続けました。
すると、しゃっくりをしながら、にやりと笑い後輩はこちらを見上げました。