澤井のどうでもいい話23

澤井祐樹

 

9:25残り8分
いける。確実ミッションをコンプリートできる。
うすれゆく意識の中で、私は確信しました。

9:27残り6分
先生の声が遠くに聞こえ、まとめらしき内容に突入。

9:30残り3分
その時が来ました。質問タイムに、隣の受講者が手をあげました。
先生がその答えを答えている間、私は、手のひらの汗をデニムで拭きました。

9:32残り1分
今から三倍のスピードで戻れば、大惨事は免れます。
資料を鞄に詰め込み、上着に手をかけました。

そのときです。
『あの。。。もうひとつだけ質問いいですか??』
後ろから、他の受講者の声が聞こえました。

。。。母さん。。
。。。今僕は、大阪の美容室で、元気に働いています。
。。。周りにはいい人ばかりで、毎日が楽しいです。

。。。お盆には久しぶりに帰ろうと思っていました。
。。。でも、もう少し早くなりそうです。

ららら ららららら
言葉にできない。

つづく