西大橋の美容室 澤井祐樹
電車に乗るのが苦手な私はいつものように、うつむいて時間が経つのを待ちました。
すると、大きな黒いカバンを持った、今までみたことのないぐらいの、クルクルベルサイユ巻をした学生が二人乗り込んできました。
ベルサイユな2人組は、前から2両目全体に響き渡る大声で、
『うちの彼氏はチャラそうに見えてチャラないしー』と、言いました。
これこれ姫さま、お茶目が過ぎますぞと、周りの民達は、オテンバベルサイユの声に、聞いてるフリをせず、私と同様、耳をすませていたとおもいます。
彼氏と、どうやっ知り合ったんとの相方の質問に、民達興味マックスです。
その問いに、『キャッチ』と、答えたのを聞いた横のサラリーマンらしき人は、そっちの方を、携帯電話から目をはなし、チラリと見ました。
おしまい